足場工事

プラント工事における足場工事とは

プラント工事を円滑に行うためには、作業員の安全を確保した足場を組み立てる必要があります。もし足場が不安定な場所で作業を行えば、作業員が転落するリスクも高く、プラント設備にダメージを与える恐れもあるでしょう。一般的にプラント工事は住宅工事などよりも規模が大きく、長期間工事をしなければなりません。だからこそ長期的に安定した足場が重要になってくるのです。

さらにプラント工事の場合、足場の広さ・移動量・階段数・階段位置などへの配慮も必要となり、機能性も高い足場が求められます。また目的・機能によってプラントは変わってくるため、プラントの形状に合わせて柔軟に足場を変更することも必要です。プラントの設備にもダメージを与えないような配慮も欠かせず、プラント工事での足場工事は非常に知識・経験が求められる作業と言えるでしょう。

プラント工事で組まれる「吊り足場」

「吊り足場」とは、吊り下げられている足場のことです。一般的に多い足場は地面から徐々に上に組み立てていくタイプですが、プラント・橋梁工事・高層ビルなどでは地面から足場を組み立てるのは非常に難しいことも。そのため吊りチェーン・パイプ・金具・作業床などを活用して、上から吊り下げる様式の「単管足場」を設けます。中にはパイプ・作業床がユニットになっているタイプの吊り足場もあります。吊り足場を活用することで、スピーディに作業を進められるでしょう。

地面から組み立てる足場と吊り足場の違いは、地面からか上からかの違いだけです。高所や地面の形状、周辺環境などで、どちらが適しているのか判断されます。

また吊り足場は、状況によって以下2つのタイプに使い分けられています。

  • 吊り枠足場…直接、鉄骨梁に既成の吊り足場を懸垂しているタイプ
  • 吊り棚足場…吊りチェーンを鉄骨梁から吊り材として、足場用銅管・角形銅管・丸太などを井桁状に組みながら、足場板を仮渡しの作業床としているタイプ

吊り足場のメリット

吊り足場を活用するメリットは、大きく3つ挙げられるでしょう。

  • 工期の短縮
    地面から組み上げていくタイプの足場であれば縦方向に組み立てるため、足場を設置するのに時間を要してしまいます。しかし吊り足場であれば水平方向に組み立てるため、移動床を設ければ、延長した作業が容易に行えるでしょう。そのため工期短縮も図れます。
  • 安全性の確保
    高所での作業のため必ず危険は伴います。しかし吊り足場だと手すりの中で作業を行うことがほとんどです。そのため作業員の安全性を確保しやすいでしょう。
  • 広範囲での作業が容易
    吊り足場は地面からの影響を一切受けることはなく、吊り下げた足場の上で広範囲に作業を進めることができるでしょう。

吊り足場組み立ての流れ

吊り足場を組み立てる際、最も重要なポイントが準備作業です。吊り足場には「足場組み立て等作業主任技術者」「玉かけ技能講習修了者」などの有資格者が必要となり、適材適所に人員を配置し、有資格者の指示のもとで作業ができる環境づくりをしなければなりません。さらに事前に作業内容・手順・使用工具・保護具などのチェックを行い、危険個所などがないかも全作業員が把握し、共有しながら作業が行われます。

さらに作業範囲をバリケード・ロープなどで囲み、第3者が立ち入れないような対応も行われます。前準備が整えば、次に組み立て作業に移るという流れです。

  • 安全設備を装着する
  • 親子パイプの設置
  • コロバシパイプの設置
  • 足場板の設置
  • 朝顔パイプの設置
  • 落下防止網の設置

上記のような流れで吊り足場は組み立てられます。

足場工事を依頼する際のポイント

プラントで足場工事を依頼する場合は、プラントでの工事経験があるかどうか、有資格者が在籍しているか、吊り足場に対応可能かどうかをチェックするようにしましょう。通常の足場とは異なるため、吊り足場やプラントに関するスキル・知識が必要になってきます。もし経験の少ない業者に依頼する場合、工事中のリスクへの対応や配慮など入念に対象業者へ確認する必要があるでしょう。