プラント配管工事の流れについて

ここでは、プラント配管工事の流れについて紹介します。また、流す流体によって異なる配管の種類のほか、使用目的に応じた配管の構造もまとめました。

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プラント配管工事の流れ

プロセス開発・設計

まずはプラントの設計を行います。プロセス設計エンジニアや詳細設計エンジニアが化学プラントの設計を行い、基本的なプロセスフローも設計。物資収支や熱収支などのプロセス計算も実施します。

基本設計・詳細設計

プロセス開発・設計時に作成したプロセスフローシートや主要機器データを集約し、配管設計基準書と配管設計仕様書をつくります。

また、機械や電気、計装、土木、建築といった専門分野ごとに分担し、詳細設計も実施。詳細設計によって配管図や仕様書、施工要領書が作成され、施工図が完成します。

材料の選定・資材調達

材料選定では、配管に流す流体や使用環境に応じた配管材料を選定します。資材発注を行い、納品時には受け入れ検査も実施します。

配管工事

基礎・建設工事や機器の据え付けを行ったのち、配管工事がスタートします。まずは配管の切断・加工を行い、バリを除去。継手や弁類などの部材を取り付けます。その後、配管に支持金物を取り付けたり、計装配管を取り付けたりといった作業のほか、断熱材を用いた保温・保冷工事、塗装などの各工事を行います。

検査・試験後、プラント稼働

目視検査や非破壊検査のほか、水圧テストや気密テストなどの試験を行います。検査や試験を無事に終え、不具合や漏洩がないことを確認したら、プラントを稼働させます。

保全

プラントの運転開始後には、保全も重要です。配管は時間経過とともに腐食や割れなどが生じますから、劣化傾向をつかみながらトラブルを予防する必要があります。また、漏れや故障などが生じた際には応急修理なども実施します。

配管の構造・作り方による種類

配管を使用する目的によって、構造や作り方を選ぶ必要があります。

シームレス管

継ぎ目(シーム)がない鋼管であり、強い圧力やねじれに耐えられるのが特徴です。そのため、管内に大きな圧力がかかる高圧ガスや高圧ボイラーなどの配管に適しています。

シームレス管は丸棒の中心を押し広げて中空にしてつくりますが、内径と外径の厚みを一定にしにくいという特徴もあります。

溶接鋼管

広く用いられている配管であり、平版を丸く折り曲げて溶接することでつなげています。生産しやすい・コストが安い・幅広い口径に対応できるといったメリットがありますが、溶接部分の強度が弱くなってしまうデメリットもあります。

スパイラル鋼管

製作が難しいという欠点があるものの、口径や長さ、厚みの自由度が高いうえ、強度にも優れている鋼管です。帯状の鋼板をらせん状に巻いてつくります。

プラントごとに使われる配管の種類

配管にどんな流体を流すかによって、3種類の配管に分類されます。

液体配管

液体を流すための配管であり、飲料水や排水、雑用水、熱源水といった液体を流す水配管と、給油やエネルギー伝達に使われる油配管があります。勾配を考慮しながら可能な限り短くつくり、凍結対策なども行います。

気体配管

空気や蒸気、空調の冷媒、燃料ガス、特殊ガスといった気体を流すための配管です。適切な配管口径にすることで、管内にかかる圧力や温度変化によるエネルギー損失を防ぎます。また、蒸気配管や冷媒配管の場合は保温工事も行います。

粉体配管

粉体を流すための配管であり、小麦粉や砂糖、塩、砂などを流す際に用います。粉体が管内に詰まらないよう、配管内部が平滑な材料を選ぶ・配管の曲がりが少ない設計にすることが大切です。