プラント設備老朽化の問題と対策

プラント設備老朽化による問題

プラントは1つ1つの設備(クレーンや焼却炉、ボイラーなど…)によって成り立っており、様々な種類の機械があります。日本のプラント設備は高度経済成長期と共に発達してきましたが、当時に建設された設備の多くは、現在になって老朽化が進行しているのが現状。

設備の老朽化が進行すれば、腐食や疲労劣化などによる故障・漏洩が頻発してしまいます。設備老朽化による漏洩や火災・爆発によって事故も発生してしまい、従業員はもちろん、地域住民の安全を脅かすことにつながります。もちろん設備の故障でプラント設備が稼働しなくなるのも大きなリスクの1つです。今はまだ事故が少ないプラント設備も、今後老朽化を辿ると共に事故のリスクはさらに大きくなるでしょう。

プラント設備の老朽化への対策は?

どのような設備であっても時間が経つごとに古くなり、一部の部品交換のみでは性能を維持できなくなっていきます。プラント内には様々な設備が存在しており、それぞれの寿命が一定ではないことを把握するのが老朽化への対策となります。想定された通りの使い方で寿命が定められている場合にも、実際には想定より過酷な使い方をされていれば、寿命はさらに短いと考えられるでしょう。

装置や設備を使用できる状態のことを「供用適性」と呼んでおり、装置や設備の腐食・摩耗・疲労などが生じていないかを確認した上で残りの寿命を予測します。設備には様々な腐食の種類がありますから、専門知識を持った人が装置の予寿命を履歴・状態から判断しなければなりません。

プラント設備の陳腐化への対策も重要

設備としてはまだ使用できる場合でも、新しい技術が出てきたことで競争力を失った状態を「陳腐化」と呼びます。高機能の新製品が安く手に入るのであれば、買い替えた方が得策というケースは珍しくありません。

陳腐化した設備を更新しないでおくと、部品の入手が困難になってしまうため、使用を止めた古い機器から同じ部品を取って再利用する方法があります。一般に部品取り・共食い設備と呼ばれる方法であり、メーカーが古い部品・製品の製造を止めた場合の対策となります。

ただしプラントの機器の多くは安価ではないため、陳腐化が目立ってきた場合には、買い替えか再利用か慎重な判断が求められます。買い替えた方が信頼性・競争力が高まる一方で、買い替えに伴うコストについても考えなくてはなりません。

更新や保全は設計・メンテナンスを対応できる会社に依頼もできる

プラント設備には様々な種類・目的の設備が多数存在しているため、専門知識を持つ人の手や目で、各部分の老朽化・陳腐化を確認していく必要があります。

もし人手不足で保全・更新業務が難しいという場合は、プラント設計・メンテナンス会社に依頼することもできるので検討してみてもよいでしょう。